刑法総論

刑法総論

刑法の意義

刑法とは、犯罪と刑罰に関する法をいいます(=実質的意義の刑法)。つまり、どのような行為が犯罪とされ、それに対してどのような刑罰が科せられるのかを定めたルールです(西田典之著、橋爪隆補訂『刑法総論』第3版、弘文堂、2019年、p.5、山口厚『刑法総論』第3版、有斐閣、2016年、p.1参照)。刑法には、一般刑法と特別刑法があり、刑法(明治40年法律第45号)という名前の付いた法律(=刑法典、形式的意義の刑法)を一般刑法(普通刑法)、それ以外の刑罰法規を特別刑法といい、特別刑法は更に、狭義の特別刑法と行政刑法に分かれます。
刑法総論

刑法総論

刑法総論とは、様々な犯罪が成立するために共通して必要となる要件等を明らかにしていく分野をいいます。例えば、刑法199条は、「人を殺した者は、死刑又は無期懲役若しくは5年以上の懲役に処する。」と規定して、他人を殺した場合には殺人罪が成立することを、また、刑法235条は、「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と規定して、他人の財物を盗んだ場合には窃盗罪が成立することを規定しています。