用語集

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当罰的行為

当罰的行為とは、刑罰という制裁を加えることが相当とされる行為をいいます。刑法は、法益を保護するために、刑罰という制裁が加えられることがあることを予告することによって、法益を侵害する行為が行われないように人の行為を規制していますが、およそ法益を侵害する行為であれば刑罰という制裁を加えることができるとすることは、かえって法益の保護に反する事態を招くことになります。
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特別刑法

特別刑法とは、刑罰法規のうち、刑法典(明治40年法律第45号)以外のものをいいます。狭義の特別刑法には、以下のようなものがあります。・暴力行為等処罰法(大正15年法律第60号)・盗犯等防止法(昭和5年法律第9号)・軽犯罪法(昭和23年法律第39号)・組織的犯罪処罰法(平成11年法律第136号)・自動車運転死傷処罰法(平成25年法律第86号)など。行政刑法には、以下のようなものがあります。・国公法(昭和22年法律第120号)・地公法(昭和25年法律第261号)・道交法(昭和35年法律第105号)・大気汚染防止法(昭和43年法律第97号)・水質汚濁防止法(昭和45年法律第138号)など
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一般刑法(普通刑法)

一般刑法(普通刑法)とは、刑法典(明治45年法律第45号)をいいます。刑法8条は、「この編の規定は、他の法令の罪についても、適用する。ただし、その法令に特別の規定があるときは、この限りでない。」と規定して、原則として、刑法総則の規定が刑法典以外の刑罰法規にも一般的に適用されることを明らかにしています。
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実質的意義の刑法

実質的意義の刑法とは、犯罪と刑罰に関する法(=どのような行為が犯罪となり、それに対してどのような刑罰が科せられるのかを定めるルール)をいいます。刑法典(明治45年法律第45号)に限らず、例えば、「~した者は、~に処する。」というように、一定の行為をした者に対して一定の刑罰を科する旨を規定している法規を指します。
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形式的意義の刑法

形式的意義の刑法とは、刑法典(明治45年法律第45号)をいいます。犯罪と刑罰に関する規定を設けている法令には様々なものがありますが、その中でも特に、刑法という名前の法律を指します。刑法典は、一般刑法(普通刑法)とも呼ばれます。
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法益(保護法益)

法益(保護法益)とは、法によって守られるべき利益をいいます。例えば、刑法199条(殺人)は、「人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。」と規定して、人を殺す行為をした者に対して刑罰を科する旨を明らかにしています。刑罰という制裁を科せられることは、一般に誰にとっても避けたい事態です。つまり、刑法199条は、人を殺す行為を行った場合には刑罰が科せられることを予告することによって、故意に人の生命を侵害する行為が行われないように、すなわち、人の生命が奪われないようにしています。 したがって、殺人罪の保護法益は、人の生命ということになります。
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法律用語の意義について、分かりやすく解説しています。