刑事訴訟法判例

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最判昭22.11.24 昭和22年(れ)第50号:強姦未遂 刑集1巻21頁

被害者が検察官に対し、「告訴はしません」という語句を使用しても、その陳述全体の趣旨が犯罪事実を申告するとともに犯人の処罰を望むものであるときは、親告罪の告訴として有効である。
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高松高判昭27.4.24 昭和25年(う)第1244号:強制猥褻被告事件 高刑集5巻8号1193頁

強姦未遂の告訴には、これよりも軽い強制猥(わい)褻(せつ)の事実も含まれているので、強姦未遂についての告訴は、強制猥褻についての告訴としても効力を有する。
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最判昭23.8.5 昭和23年(れ)第441号:窃盗 刑集2巻9号1123頁

訴訟上の証明は、自然科学者の用いるような、実験に基づく「真実」そのものを目標とする論理的証明ではなく、「真実」の高度な蓋然性をもって満足する歴史的証明であり、通常人なら誰でも疑いを差し挟まない程度に真実らしいとの確信を得ることで証明ができたとするものである。論理的証明に対しては、当時の科学水準においては反証の余地は存在し得ないが、歴史的証明に関しては、通常、反証の余地が残されている。
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最決平19.10.16 平成19年(あ)第398号:爆発物取締罰則違反、殺人未遂被告事件 刑集61巻7号677頁

有罪認定に必要とされる立証の程度としての「合理的な疑いを差し挟む余地がない」というのは、反対事実が存在する疑いを全く残さない場合をいうものではなく、抽象的な可能性としては反対事実が存在するとの疑いをいれる余地があっても、健全な社会常識に照らしてその疑いに合理性がないと一般的に判断される場合には有罪認定を可能とする趣旨であり、このことは、直接証拠によって事実認定をすべき場合と情況証拠によって事実認定をすべき場合とで異ならない。
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刑事訴訟法を学習していくうえで必要となる重要判例をまとめています。判例は、原則としてそのまま引用していますが、読みやすくするため、以下のような修正を施しています。促音・拗音の表記になっていない箇所は、促音・拗音の表記に修正しています。漢数字は算用数字で表記するようにしています。適宜漢字にふりがなをふっています。適宜見出しをつけています。目次を付けています。要約を付けています。
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最大判昭24.11.2 昭和23年(れ)第1382号:殺人、住居侵入 刑集3巻11号1691頁

被告人の公判廷外の自白と補強証拠によって犯行事実を認定することができる場合は、被告人が犯人であることについての証拠は自白のみで足り、補強証拠を要しない。
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最大判昭24.5.18 昭和23年(れ)第77号:殺人、同未遂 刑集3巻6号734頁

自白を補強すべき証拠は、犯罪事実の全部にわたることを必要とせず、自白に係る犯罪が現実に行われたことが裏付けられ、自白が架空のものでないことが確かめられれば足りる。