法益(保護法益)とは、法によって守られるべき利益をいいます。
例えば、刑法199条(殺人)は、「人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。」と規定して、人を殺す行為をした者に対して刑罰を科する旨を明らかにしています。
刑罰という制裁を科せられることは、一般に誰にとっても避けたい事態です。つまり、刑法199条は、人を殺す行為を行った場合には刑罰が科せられることを予告することによって、故意に人の生命を侵害する行為が行われないようにする=人の生命が奪われないようにしています。
したがって、殺人罪の保護法益は、人の生命ということになります。
このように、法が一定の行為を規制することによって保護されることになる利益を、法益(保護法益)といいます。